日本初ノンアルコール飲料専門ECサイト OPEN / 全商品オリジナルステッカー付

Spacial Talk : feat. Keiichi Sokabe (3)

ミュージシャン・曽我部恵一 ✖︎ 小説家・桜井鈴茂
飲むこと / 飲まないこと。その先の話。
【第3回】

撮影:川畑里菜
インタビュー・構成:松まさる

 人生において何か新しいことをはじめるきかっけといえば、キャリアアップ、お金、生活のため、心の充実etc.?
 15年前から飲食業にも携わっている曽我部と、つい先日、日本初のノンアルコール飲料専門の当ECサイトを開設したばかりの桜井が、ミュージシャン/作家としての活動の傍らに飲食業に取り組んだきかっけ。それは、人生の岐路が訪れた仲間や大切な人の存在と、自然な流れに抗わずにそれを活かそうとする前向きさだった――。

つながりとスタッフ間の信頼、または家族的なつながり。それだけあれば、儲からなくても続くんですよ。(曽我部)

 

——曽我部さんは音楽家というお仕事とは別に、15年ほど前から下北沢でカフェ/バー「CITY COUNRTY CITY」(以降CCC)を経営されています。また、今年の4月からは姉妹店である「カレーの店・八月」を開店しましたが、音楽家と飲食店の経営ってものは相互に影響し合ってるんですか?

曽我部:いや、特に影響していないと思います。それに、経営者って言ってもお金をもらってないからね、1銭も(笑)。経営者って利益のためにやるわけでしょ。そう考えると自分は経営者じゃないのかも。

——利益目的じゃないんですね。

曽我部:はい。CCCだと社割で飲み食いはできるけど。

——(笑)。そもそもどういう経緯でCCCを始めたんですか?

曽我部:下北沢っていう拠点ができて、仲間が増えたのが大きかったかな。CCCはレコード屋をやりたいって仲間がいて、レコード屋だけではなかなか難しいから、じゃあ、夜はバーとかにして僕がやるから一緒にやろうよって、適当に言ったのが始まり(笑)。そしたら、仲間内の別の人間がバイト先がなくなったって言うんで、そいつは料理ができるから、じゃあ、CCCでランチやったらいいじゃんってランチ始めたら、飲食としてのクオリティーが上がって。もう完全に場当たり的なんですよ(笑)。だから明確なビジョンはあんまりなくて。誰かがやるって言うし、じゃあやってみようか? みたいな感じです。

——そのノリで15年。

曽我部:スタッフがみんな、きっちり考えてやってくれてるからね。みんなの関係性がいいんだろうなって思ってる。僕が自分の儲けのためにやってたら絶対続いてないと思うんです。それぞれが自分のやりたいこと、そして、それを仲間と共有する場所っていうのが大切。だから継続してると思うんですよね。そこが普通のお店と違う、うちの強みかな。CCCは、ほんとに家みたいな感じ。始めたばかりの「八月」も、みんなそれぞれそういうのを持っていてほしいなと思ってます。

——人とのつながりから生まれたんですね。

曽我部:つながりとスタッフ間の信頼、または家族的なつながり。それだけあれば、儲からなくても続くんですよ。
 

曽我部恵一

——そういう想いや場の雰囲気がお客さんにも伝わるんでしょうね。

曽我部:そういう感じっすね。

——カレーのお店を開かれたので、カレー好きが高じたのかなと思っていました。

曽我部:いえ、カレー好きだから開いたわけでもないんです。下北沢なので、お店やるんだったらカレー屋さんがいいんじゃない、みたいな。

——そうなんですね、確かに下北沢にはカレー屋さん多いですしね。

曽我部:うん、でも始める前はいろんな案があったんですよ、キッシュのお店とか。

飲酒文化と縁を切ったとか断酒したとかっていうよりも、お酒の種類を変えて「ノンアル」にしたっていう意識のほうが強い。(桜井)

 

——桜井さん、ロー・アルコール・ビストロ「MARUKU」は、どういうきっかけで始めたんですか?

桜井:うちの奥さんが会社辞めたい、いまさら就職もしたくないっていうから、それじゃあ、自分たちでなにか始めなくちゃね、って話にまずはなっていて。それで、なんかの折にコーヒーを飲んだ時に、曽我部くんに「じつは、これこれ、こうでさあ……」みたいな相談をしたら、「八月」が入るビルの2階にちょっとしたスペースがあるし、奥さんが料理好きなんだから、立ち飲みバル的なのをやったら?って言ってくれて。

曽我部:そしたらコロナが発生して、CCCをしばらく閉めるから、じゃあこっちでやれば?って。

——曽我部さんからの提案だったんですね。

曽我部:「八月」の2階のキッチンが稼働してない時にバーにしたらいいんじゃない?っていう発想は元々あって。ちょうどそんな時、桜井くんから相談をもらって「MARUKU」に発展した感じだよね。

桜井:そう。それで、家に帰って、曽我部くんから頂いた提案を奥さんに話したら、彼女の表情が久々に輝いた。去年の夏以降、会社のことや仕事のことで、ずっと悩んでいて、暗い顔つきをしていたから、おれも嬉しくて。で、脇目も振らずに飛びついたって感じです。

——それは、奥さんが一人でやる、というより、桜井さんも一緒に、というのが前提だったんですか?

桜井:そのことについて、きちんとミーティングした記憶はないんだけど、おれ、お節介焼きだからなあ(笑)。いろいろと口を挟んでるうちに、いつのまにか関わるのがデフォルトになったって感じ。こんなことしてていいのかな、おれ? みたいな気持ちは今も少なからずありますよ(笑)。寝起きに、ハッとなったりね。

——(笑)。曽我部さんはそのへん、どんな風に捉えているんですか?

曽我部:物事には必然的な流れみたいなのがあったりするから、そういうのには抗わずに乗っかって生きていきたいなって思ってますね。まあ、お酒もそうだよね。飲む飲まないも、人生の中で飲まなくていいかな、って思う時が誰しも訪れるような気はしてて。そういう時にお酒から距離を置いたり、もしかしたら何かきっかけがあってまた戻るかもしれない。それが普通だと思う。僕はちょっと無理して離れたみたいなところがあったから、もっと自然なお酒との付き合いができるといいよね。

桜井:うん。自然な流れでノンアルを飲む場所や人が増えてったらいいな、と思う。おれの場合も、飲酒文化と縁を切ったとか断酒したとかっていうよりも、お酒の種類を変えて「ノンアル」にしたっていう意識のほうが強いし。この「お酒」だったら、暴言は吐かないし、夜のうちに家にも帰れるし、眠りも深いし、翌日も元気だし。悪いことないなあ、この「お酒」は、と。

桜井鈴茂

――確かに、やめるとなるとハードルが高く思えますが、選択肢が増えただけ、という考えはいいですね。

桜井:今、ちょっとしんどいのが、ほかの街や地域に行った時だね。先日も、北海道の十勝方面に取材で行ったんだけど、飲み屋さんに入ってもノンアルが置いてなかったり、置いていても、従来の、つまり、日本の大手ビール会社のビールテイスト飲料しかなくて。それがけっこうきつかったなあ。ヴィーガンやマクロビの人が普通のレストランや居酒屋に入って、食べるものがないっていう感覚にちょっと近いのかも。とくに、下北沢は、自分で卸していることもあり、エルディンガーを飲める店が何軒かあるんだけど、全体としては、まだまだ普及してないから。だから、エルディンガーに限らず、美味しい「ノンアル」が飲める店が多くなればいいな、「ノンアル」の文化が広がればいいなと思ってる。

――広がるといいですね。

曽我部恵一(そかべけいいち)
1971年8月26日生まれ。乙女座、AB型。香川県出身。
90年代初頭よりサニーデイ・サービスのヴォーカリスト/ギタリストとして活動を始める。
1995年に1stアルバム『若者たち』を発表。'70年代の日本のフォーク/ロックを'90年代のスタイルで解釈・再構築したまったく新しいサウンドは、聴く者に強烈な印象をあたえた。
2001年のクリスマス、NY同時多発テロに触発され制作されたシングル「ギター」でソロデビュー。
2004年、自主レーベルROSE RECORDSを設立し、インディペンデント/DIYを基軸とした活動を開始する。
以後、サニーデイ・サービス/ソロと並行し、プロデュース・楽曲提供・映画音楽・CM音楽・執筆・俳優など、形態にとらわれない表現を続ける。
http://www.sokabekeiichi.com/
桜井鈴茂(さくらいすずも)
1968年4月23日、札幌市の天使病院にて出生。石狩郡当別町で育つ。明治学院大学社会学部卒業。同志社大学大学院商学研究科中退。バイク便ライダー、カフェ店員、郵便配達員、スナックのボーイ、小料理屋店長、水道検針員など、さまざまな職を経たのちに、『アレルヤ』(朝日新聞社/2002年、双葉文庫/2010年)で第13回朝日新人文学賞を受賞。著書に『終わりまであとどれくらいだろう』(双葉社/2005年)、『女たち』(フォイル/2009年)、『冬の旅』(河出書房新社/2011 年)、『どうしてこんなところに』(双葉社/2014年)、『へんてこなこの場所から』(文遊社/2015年)、『できそこないの世界でおれたちは』(双葉社/2018年)。現在は、双葉社の文芸webマガジン「COLORFUL」http://www.f-bungei.jp にて『探偵になんて向いてない』を連載中。 ハーフマラソンとDJと旅と猫とノンアルコールビールを愛好。
公式サイト http://www.sakuraisuzumo.com/
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