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地方発、ノンアルの新時代へ。

「kuu-soo BREWING」神脇隼人氏に訊く


ノンアル・カルチャーの産声はあちらこちらであがっています。岩手県釜石市に拠点を置く「kuu-soo BREWING」は“地方発”で新たな動きを生み出そうとしている、ノンアル専門ファントムブリュワリー。自社の醸造所をもたずに全国各地の醸造所と連携しながら商品を開発し、ノンアル文化を醸成するためにWEBメディアも立ち上げる。そんなブリュワリーを運営する合同会社sofoの代表社員である神脇隼人さんに、MARUKUの桜井鈴茂がインタビューしました。

編集・構成/宮田文久

写真提供/kuu-soo BREWING

醸造所は持たない。だから、いろんな地方と組める


――(Zoomの画面ごしに)はじめまして。今、釜石にいらっしゃるんですか? 

神脇 はい、2019年に釜石で開いた「solo café」にいます。その前年にこちらに引っ越してからは、東京と釜石の二拠点生活を送っています。

――最初にお訊きしたかったのは、そもそもなぜ釜石に、ということなんです。なにか縁(ゆかり)があったとか?

神脇 いや、特に縁はなくて。もともとは東京で、大手不動産会社に勤めていたんです。ディベロッパーの仕事はとても楽しいんですが、一方で、自分たちがおこなっているのは人口集中型のモデルでして、人口が減少している地方ではどんな取り組みができるだろう、という思いがありました。そんな折、釜石のさびれたシャッター街に出会って、「ここだ!」と。

 ――へえ、シャッター街に反応したのか(笑)。で、カフェをオープンするなどの活動をされてきたわけですが、ノンアルを手がけるようになったのはどうしてでしょう?

神脇 前の会社に勤めていた頃から、お酒はよく飲んでいたんです。釜石に来てからも、土地のことを知るなら地酒だ、と思って、楽しんでもいました。ただ、東京での生活とは比べ物にならないくらい車を使うんですよ。となると、なかなか気軽に飲めない(笑)。

――ぼくも地元が北海道なので、よくわかります(笑)。車が絡むから、飲むためには多少なりとも計画的にならざるを得ないよね。

神脇 そうそう。みんなで飲むとしたら最後に誰が車を運転するのか決めておかないといけないし、決めずに飲んだら運転代行を頼まないといけなくて。そうしているうちにノンアルを飲むようになって、「地方発のノンアルって、可能性があるんじゃないか?」と気づいたんですね。それがスタートです。

2019年、釜石の地域拠点としてオープンしたsofo café

――なるほど。では、自前の醸造所を持たずに、いろんな醸造所とコラボしていくファントムブリュワリーという形を選択したのはなぜ?

神脇 釜石はもちろんのこと、いろんな地方それぞれの醸造所と組んでノンアルコールビールをつくっていくことで、ノンアル市場が面白くなり、盛り上がっていくんじゃないかと思っているんです。そうやって地方が楽しくなれば、と。ビールの醸造所は圧倒的に地方に多いんですよ。もちろん、そこでノンアルをつくってもらうにはさまざまなハードルがあるんですが……。

――ノンアルゆえに断られる場合もあるでしょう?

神脇 ブランド立ち上げにあたって、すでに20箇所くらいの醸造所には断られました......(笑)。

――ノンアルに対応してる醸造所ってまだまだ限られてますよね。意識の違いもあるだろうし。ぼくも経験がありますが、「ノンアル」と口に出した瞬間に、相手のトーンが下がったりね(笑)。

神脇 そうなんですよね。もちろん、必要な設備の違いもあります。あと、ノンアルは総じて賞味期限が短いので、その点でも扱いが難しい。ただ、こうした課題は明確ですから、徐々に解決していければ広がっていくはず。実際に今も、長野県にある醸造所さんと商品を開発していて、試飲を進めているところなんです。

暮らしとのペアリング、ウェルネスとの相性


――「のんあるのあるくらし」という、ノンアルカルチャーを発信するWEBメディアも立ち上げられました。

神脇 自社のものが売れて自社だけが儲かるのでは、ノンアルの市場も文化も広がっていかないと思うんですね。だから他の醸造所とタッグも組みますし、情報も発信していきたいな、と。その意味でも、うちとMARUKUさんは理念的にかなり近いと思いますよ(笑)。

――ぼくもそう思います(笑)。Sofoさんは読書や音楽鑑賞という行為とノンアルとのペアリングも前面に打ち出している。そこも強く共感するポイントです。

神脇 どんなシーンにも寄り添える、というのがノンアルのいいところですよね。もちろん食事とのペアリングもあるんだけど、それだけじゃなくて、暮らしのいろんな領域とくっついて、心地よく入り込んでいける。WEBメディアを立ち上げるというのも、そうしたライフスタイルの方向性を発信できるという面があります。

「kuusoo BLACK」も、リラックスしたシーンで味わってほしいという

――酩酊するってことはその後の行動が制限されるってことでもあるから、それがないぶん、別の可能性が広がりますよね。

神脇 近年注目を集めているCBD(カンナビジオール)とも相性がいいと思うんですよね。そうしたペアリングも、いずれは確立していけるんじゃないかと感じます。これからノンアルの市場が延びて、文化としても盛り上がっていけば、5年後には今とまったく違う世界が広がっているかもしれません。

――ノンアルにはウェルネスとしての方向性もあるし。

神脇 ええ。エナジードリンクの世界を持ち出すと、わかりやすいかも。昔はとにかくハイになるというか、むちゃくちゃ頑張るために飲む、というイメージでしたが、最近は緊張やストレスやわらげるというか、優しい世界観のエナジードリンクも出てきましたよね。そういった方向性はありうると思います。

「乾杯!」の一杯目がノンアルである未来へ


――逆に、ノンアル・カルチャーにとっての課題は何だとお考えですか?

神脇 実は地方って、ノンアルによって豊かになるシーンが多いと思うんです。自然に恵まれてますし、そこに向かうには、冒頭で触れたように車を使うことが多い。ただ、地方の人たちがノンアルを日常的に飲むようになって、大きなムーブメントになるには、もう少し時間がかかるような気がします。どうしても、今のところは東京のほうが、ノンアルは受け入れられやすい。

――うちのECサイトでは、おかげさまで地方にお住まいの方からもけっこう注文が入るんですけどね。いずれにしても、ノンアルを日常的に嗜好してもらうためには、飲酒文化への信仰を切り崩すというか、ちょっとした発想の転換を促す必要があるかもしれない。

神脇 ノンアル・カルチャーがこういうものになってほしいな、という理想像はいくつかもっているんです。たとえば、誰かと一緒に乾杯するとき、その一杯目がノンアルになってほしい、と感じます。そうなれば、急性アルコール中毒で倒れる人も少なくなるだろうし、なにより、飲めない人が疎外感を覚えずに済む。最初の乾杯のときにアルコール以外のものを選ぶと、ちょっと微妙な空気になることがあるじゃないですか。あの感じが減ってほしいし、そのための最初の選択肢として、ノンアルはいいんじゃないかなって。

――まずはノンアルで「乾杯!」っていいですね。単純に喉の渇きを潤すにはアルコール成分は不要だし。飲みたい人は2杯目からどうぞっていう(笑)。

神脇 もうひとつは、学生に対するアプローチですね。大学生の飲み会でノンアルが積極的な選択肢になっていくといい。学生同士の飲み会って、どうしても未成年と成年が同席する場になりがちじゃないですか。そこで望まない飲酒や事故を防ぐという意味でも、ノンアルにできることは多いと思うんです。

――学生たちのサードプレイスになっているようなカフェや食堂のような場所に、ノンアルがもっと導入されていくといいですね。銘柄を選べるくらい種類が豊富だと随分と違う。

神脇 そうなっていくと、学生さんたちが社会人になったときにもノンアルが普通の選択肢になっていくわけですし、市場全体も盛り上がっていくんじゃないかな、と考えているんですよね。

――確かに、アルコールに親しんできた年配世代とは異なるアプローチがあるでしょうね。ともあれ、今日はノンアルの現状と未来について語ることができてよかったです。

神脇 いやあ、ぼくもこんなにノンアルについて話ができて嬉しいです(笑)。

――こちらこそ。勉強にも刺激にもなりました。

神脇 そうそう、「kuu-soo BREWING」はノンアルコールビールを中心に展開していこうとは考えているんですが、実は他にもノンアルのアイデアがありまして……(しばし密談)

――あ、それ、いいですね! 実際に会って話したいなあ。やっぱ、ぼくはオフラインが好きで(笑)。

神脇 今度、東京に戻った時にCafe MARUKUにうかがいますよ!(笑)

――ぜひいらして! 楽しみしてます。


【プロフィール】

神脇隼人/かみわきはやと

千葉県生まれ。早稲田大学卒業後、大手不動産会社に入社。2018年退職、岩手県釜石市に拠点を移し、起業型の地域おこし協力隊(釜石ローカルベンチャー)として釜石大観音仲見世商店街活性化に取り組む。同年、合同会社sofo設立。2019年にsofo caféをオープン。2021年、ノンアル専門ファントムブリュワリー「kuu-soo BREWING」を立ち上げ、WEBメディア「のんあるのあるくらし」もローンチした。

後日談

このオンライン対談の約2週間後、神脇さんが言葉通り、Low Alcoholic Cafe MARUKUに来てくれました。良きライバルとして、そして同業の仲間として、末長く切磋琢磨していけたら嬉しいな。いずれ、コラボもやりたい!(桜井)

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